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二人はどんな【あゆみ】を重ねてきたのか?歌詞の意味・世界観を解説&鑑賞

あゆみ アイキャッチ
おうじゃ(管理人)
(記事内にプロモーションを含む場合があります)


比較的メジャーな曲はこれまで触れてきましたので、だんだんと濃い味の作品に入っていかざるを得ません……笑

突然失礼いたしました。ようこそいらっしゃいませ!

今回は村下さんのキャリアの中でも終盤に位置する時期に生まれた「あゆみ」を取り上げます。

ベスト盤の性質があるものを除くと、生前最後に制作されたアルバムに収録されている一曲です。

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参考:村下孝蔵さん楽曲解説特集🎸

当サイトは非公式のファンサイトであり、ファンの皆様がご自身なりに楽しめる場を提供することを目的としています。同時に、村下孝蔵さんの全楽曲、とりわけその歌詞の意味や世界観を解説することを主たる目標に掲げています。

⇒村下孝蔵さん楽曲解説・歌詞解題についての詳しい「考え方」はこちら

ご興味のある方は、以下の記事もお楽しみいただけるはずと自負しておりますので、お時間のあるときにどうぞ遊びにいらしてくださいませ。

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(解説楽曲例:ロマンスカー、だめですか、いいなずけ、北斗七星、夢からさめたらなど)

⇒「踊り子」など代表曲はこちら

管理人なりに全力で取り組みましたので、皆様が村下さんの楽曲を別な視点から楽しむ参考になることだけは請け合いです☆

下部に歌詞全文を用意しました、適宜ご利用くださいね。

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🎵 当記事の著者について

当サイト管理人

新おうじゃ

名前 / Name  
おうじゃ 

職業 / Occupation
生来詩人、お米賞味マイスター、歌詞解説・鑑賞家、福話術者(家庭教師も兼業)

実績 / Achievements
生まれたときから詩的な人生を送っています。村下孝蔵さんに出逢ってから、その楽曲を肌身離さず心に持ち歩いては味わってきました。
姉妹サイトではシティポップの楽曲解説や、自身の生活の中で頂いたお米の銘柄の特徴をレビューしつつ【福話術】と題したあらゆる人の心に寄り添う記事を執筆、分野を開拓しています。

(姉妹サイト「おうじゃの福眼」プロフィールページへ遷移します)

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『愛されるために』所収

“あゆみ”

(今回はこちらに掲載できる動画が見つかりませんでした。https://www.youtube.com/watch?v=qYhgkoF8FTQにて楽曲を公開している方がいらっしゃいましたので、ここにご紹介しておきます。)

さよならだ 今日でもう
泣くんじゃないよ

解題

いよいよこの世界の終わりが訪れたかのような、ゆったりしつつ重く深い音色が近づいてくるイントロの本楽曲。

男女の関係が終わるときにはこのような色合いもあることは、経験したことのある方も大勢いらっしゃることでしょう。

ところで日本の古典(古文)の世界で「世(よ)」といえば、男女の仲を指す場合があります。男女の関係は二人の世界。言わずもがなの言葉遣いですね……。(しんみり)

もはや基本的な情景設定は書くまでもないかもしれませんが、とある男性と女性がお別れのときを迎えるところとみるのが自然ですね。

「さよならだ」これまで二人で歩いてきた道は「これでもう」終わりだ。

だけれど「泣くんじゃないよ」、お互いに自分の思うことや周囲の環境、やむにやまれぬことごとなど、言うまでもなくたくさんあった。

誰が悪いということでもない、誰のため、誰のおかげというのでもない。ただここで二人の道は終わる。

何度も話した
これ以上は やめにしよう
刺さったトゲなら自分でとるんだ

おそらく二人は状況を打破し、二人の関係を継続させることを最後まで望んでいました。そのために行動もとったはずだし、考え得る限りの可能性を探りました。

しかし、二人に立ちはだかるものは大きく、どんな案も「何度も話した」ことだから、「これ以上は」どうしようもない。

もう「やめにしよう」、そうでなければお互いに崩れてしまうだろう。

ダルマ師匠
ダルマ師匠

そしてここが難解ポイント一つ目じゃ!

一体二人には何があったのでしょうか??

ともに歩んできたにも関わらず「刺さったトゲ」がある「なら」ば、それは「自分でとるんだ」と言わしめるもの。

ここで村下さん楽曲で言われがちな不倫関係という状況(良心が痛むとか)を導入することも考えられますが、当方ではもう一歩の深みや味を読み込むことを旨としております(笑)

二人で歩む道はきっといばらの道だったのでしょう。二人それぞれの道自体も、困難ないばらの道だったのかもしれません。

そのいばらのトゲが、嫌でも二人の手足に刺さり、残ります。

もちろん二人でいる間は互いにそのトゲを取り合うこともできるけれど、これからは「刺さったトゲなら自分でとるんだ」よ。

*大好きな春になり
 桜の花に囲まれ
 川沿いを歩いたら
 昔のこと忘れよう

そしてあたたかで二人の「*大好きな春にな」れば、人も街も自分たちも「桜の花に囲まれて」次へ進むことができる。

新しい香りのみずみずしい「川沿いを歩いたら」、二人も自然と「昔のこと忘れよう」

そのときにはトゲのささった箇所も、気づかぬ間にやわらかく治っていくことだろう。

好きなことをして なぜ
悔やんでるんだ
変わらぬものなど
何ひとつ ありはしない
刺さったトゲなら自分でとるんだ

こうしてこれまで二人「好きなことをして」きて、いったい「なぜ 悔やんでるんだ」?

二人の歩みはどれもが美しく、かけがえのないものだった。

この世界に「変わらぬものなど」例外なく「何ひとつ ありはしない」のは、二人にとっても真実だったにすぎない。

だから二人が出逢う前と同じように、これからは「刺さったトゲなら自分でとるんだ」よ。

おうじゃ
おうじゃ

比喩に次ぐ比喩で、本楽曲は聴き手によって千変万化する作品かと思います……!
ぜひ「トゲ」部分にご自身なりの体験を代入してみてください。

はじめから終わりまで
自分らしくしていたい
一言が足りなくて
いつも怒られていたね

二人はとてもよく似ていて、どんなことでも「はじめから終わりまで 自分らしくしていたい」ものでした。

それは反発や自己主張というよりも、二人でいる時間、それぞれの時間をぜんぶ愛していればこそだったことも、二人は理解しています。

その想いを共有していたからこそ暗黙に「一言が足りなくて」、気持ちが確かめられずお互いに「いつも怒られていたね」。

刺さったトゲなら自分でとるんだ
*くりかえし
おまえを忘れない

もはや二人の道が分かたれる今日からは、そんなことは起こらない。

だから「刺さったトゲなら自分でとるんだ」よ。

それを何度いつまで「*くりかえし」ても、おれは「おまえを忘れない」から。

聴きどころ

全体として深く重い曲調であることそのものがまず注目したい点でしょう。

冒頭でも触れましたが、人にとって男女の仲はこのレベルで重みをもつことはしばしばあります。

他方で、水無月十三夜の生死や人生を見つめる荘厳な曲調と明確に切り分けられているのも見事だと感じます。

ほぼ全編が語り掛けの口調であることも、本楽曲の特徴といえますね。

管理人の感想(あとがき)

個人的に大名曲として取り上げているものも含まれる『愛されるために』に収録されている曲ですから、自然と耳に入ってきていました。

こんなに暗いのに名曲だよな~と感じていたのを覚えています笑

今回の鑑賞では恋愛関係にある男女がお別れする場面として読み解いてみましたが、たとえば親御さんがお子さんを送り出す送別の歌ととらえることもできそうですね。

好きなことをしてなんで悔やんでるんだ、というくだりなどは……ご家庭によっては激励よりも捨て台詞、皮肉になっている場合もあるかもしれませんが……。

まとめ

今回は村下孝蔵さんの決別曲「あゆみ」を解説してまいりました。ぜひ皆様もご自分なりの解釈で楽しんでみてくださいね☆

他の楽曲解説もご覧になりたい方は、歌詞全文下部↓のリンクへどうぞ。(直近の解説楽曲は「砂の女」でした)

あゆみ【歌詞全文】

さよならだ 今日でもう
泣くんじゃないよ
何度も話した
これ以上は やめにしよう
刺さったトゲなら自分でとるんだ

*大好きな春になり
 桜の花に囲まれ
 川沿いを歩いたら
 昔のこと忘れよう

好きなことをして なぜ
悔やんでるんだ
変わらぬものなど
何ひとつ ありはしない
刺さったトゲなら自分でとるんだ

はじめから終わりまで
自分らしくしていたい
一言が足りなくて
いつも怒られていたね

刺さったトゲなら自分でとるんだ

*くりかえし

おまえを忘れない

(作詞・作曲:村下孝蔵 編曲:水谷公生ー1994年7月1日)

この歌詞全文の引用は「あゆみ」の魅力を解説するため、および閲覧者の方々の便宜のための必要によってなされたものです。

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ここまでお読みくださってありがとうございました!

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  1. ねこ

    「あゆみ」解説ありがとうございます!
    忙しい日々の中、村下さんの楽曲に触れ、こちらにお邪魔することが癒しになっております。
    今後ともよろしくお願いいたします(* ˊᵕˋ )ノ

    • おうじゃ(管理人)

      ねこ 様

      コメントありがとうございます!
      「あゆみ」はまたしても難解というか、世界観が像を結びにくいですが、それでいて感じさせられるものがある一曲ですよね。
      応援ありがとうございます、次回は「フリーキック」を予定して、少しずつ準備しております。
      (思えば予告するのは初めてです!)
      こちらこそ、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします☆

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